受験シーズン真っ盛りで、2週間後には国公立大学の2次試験が迫る。トップに君臨する東大生の3人に1人が通っていたという学習塾が、計算練習や漢字の書き取りでおなじみの「KUMON」だ。全国に1万6300教室を持ち、子供に通わせている人も少なくないだろう。
「なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?」(祥伝社新書)の著者、おおたとしまさ氏の調査では、東大生100人のうち34人がKUMONを経験。さらに、東大受験指導専門塾「鉄緑会」出身の東大医学部生に限ると、3人に2人! 受験の最難関を突破したエリートは、公文式で学力を磨いていたらしい。
■自力で考えてミスを修正
公文式は、“東大脳”を養うのに効果的のようだが、その秘密は何なのか。おおた氏が言う。
「公文式は、子供のやる気をそがず、勉強に集中して取り組む姿勢を身に付けさせるシステムなのです」
そのための仕組みのひとつがレベル設定だ。
「公文式には、どんな学年のどんな学力の子にも『ちょうどいい』レベルの教材が用意されています。少しの努力でクリアできるくらいの教材が常にあり、その繰り返しで『先に進んだ』という達成感が得られます。ひとつのプリントの中で間違えがあると、自力でやり直し、100点を取るまで次に進めないのも大きな特徴です」
できるまで自力で考えてミスを修正し、「できた」という成功体験を積み重ねる。繰り返し学習で忍耐力を養うことが、東大合格を勝ち取る力につながるという。
「先に進める子は、どんどん上の学年のカリキュラムを先取りして進めていくことができます。東大生だと、小学生のうちに中学の範囲を終わらせる生徒がほとんどです」
無理のない先取り学習で低年齢のうちに大学入試に向けた素地をつくっておくことができるのだ。
「プリントには、問題を解くのにかかった時間を書く欄があります。それで、子供は時間を意識するため、より速く正確に問題を解く力が身に付いていくのです」
結果、たとえば数学のテストなら、計算問題などをスピーディーに終わらせ、残りの時間でじっくりと応用問題に取り組むことができる。
家庭でも、子供にちょうどいいレベルの教材を選び、小さな成功体験を積み重ねるように学習させればいい。ポイントは問題を解く時間を意識させて、どこまで進んだかを分かりやすく示すことだ。そうすれば、子供はやる気をキープして自ら勉強するという。ノウハウは応用できそうだ。
日刊ゲンダイDIGITAL 2/12(日)